デザイナー小太刀御禄の頭の中

地域活性化の第一歩はコンテンツの収益構造を考えること

※note「猫の手も借りてる地域デザインのメモ帳」から記事を移動しました。

どうもこんばんは。桜も散ってきたのですが、宇都宮城の周りは5月まで花見ができたと思いますのでみなさま北上も乙かもしれません。
今日はコンテンツの収益構造についてお話ししようと思います。
「こがにゃんこ儲かってるんですか?」「どこで儲けてるんですか?」とわりとカジュアルに聞かれます。
みなさん、多いに気になるところなのでございましょう。そして、収益がたたずに疲弊しているコンテンツが多いから聞かれることでもあるんだと推測できます。
事実、他のご当地キャラの方に探りを入れられたことがあります。
個人的には探りを入れられたことは気にしてません。みなさんのコンテンツが疲弊しない形でまわり、地域活性化の目標を達成していけるのなら情報を発信したい所存です。

地域活性化の第一歩は経済を回すことだ

ボランティアは否定しません。とても素晴らしいことです。
ただ、人が集まって何かをする場合往々にしてお金が必要になります。
イベントスタッフ代、たとえイベントスタッフをボランティアの方がしてくださったとしてもお弁当代や交通費が必要です。
さらにSNS用のイラスト、アニメ制作……コンテンツを作ろうとするとクリエイターさんにお願いすることもあります。
ボランティアで参加してくださる方もいるかもしれませんが、仕事の発注が必要な場合もあります。
タダでやってもらった場合、せめて差し入れを渡すこともあると思います。

つまり運用をしていくためには最低限の予算が必要ですし、もしキャラクター自身に稼ぐポテンシャルがあるなら稼ぐ方法を考えるのが大事だと思います。
そしてキャラクターが自分で予算を稼げるようになるのが「小さな経済圏」を作ることであり、その経済圏が大きくなることが地域活性化の1つの形だと思うからです。

キャラクタービジネスの収益構造

さて、私の地域活性化の熱い想いなどしたためてしまいましたが、気を取り直してキャラクタービジネスについて考えてみましょう。
キャラクタービジネス、一概に言えるものではありませんし最近はアニメなどのメディアミックスが主流となっておりますので千差万別感を感じます。
キャラクターコンテンツ…notアニメ、どっちかというと雑貨キャラをイメージしてください。キャラクターは主にグッズ販売で収益をたててると言われています。
ではグッズ販売を大きくするにはどうしたらいいか、昔だったら広告を出すことです。
インターネットがあまり普及していなかった時代は、現在よりも広告の影響が大きかったというのはカクレンジャーで育った我々世代には記憶にあるかと思います。
とにかく認知を広めて、販売店でグッズを売り上げていくのが主流でした。

ご当地キャラクターの収益構造はどうなのか

まず、ご当地キャラクターとひとくくりにしてしまいましたが地方自治体所属の税金予算がついているキャラクターではなく個人やボランティア団体で運営しているキャラクターをイメージしてください。
(補足をすると、税金予算がついてるキャラは否定はしませんししっかりと地域ブランディングに生かされているなら税金からデザイン費用を捻出するのはいいことだと思います。それは私がブランディングの大事さを痛感しているからでもあります。)

テレビで見るようなご当地キャラクターでしたらファンの数も多く、グッズの売り上げがたちやすく、トークを得意としたキャラクターはタレント化していき出演料などでも収益が立って行っています。
しかしこれはうまくいった一握りであって、数千といるご当地キャラの中のごくごく一部。
口コミやインターネット頼りではよほどSNSの才がないとファンの獲得が難しいところがあります。
そしてグッズ販売。規模の小さなキャラクターは自分で生産販売することが多いかと思います。一般に流通するグッズの生産数は何千、何万単位。
個人キャラクターでは生産費を賄うことも、そして在庫を管理する倉庫を確保することも難しいです。
そして個人でグッズを作った方はわかると思いますが、 グッズの小ロット生産は原価も高く普通の雑貨屋さんで売っている価格に落とし込むと収益が見込めない場合も往々にしてあります。
個人規模のご当地キャラクターにとって広告をうつことも、認知をひろげ、グッズの購買層を広げることはかなり厳しい戦いであるということです。

キャラクターと自分のできることを棚卸しよう

もちろん、グッズ販売も大事です。
しかし収益構造はグッズ販売だけでしか作れないのでしょうか?私は違うと思います。
なぜなら、お金の流れはもっと自由に作ることができるからです。
そのように考えていくかを説明します。まずはじめにやることは、自分とキャラクターのスキルの棚卸。
ざっくり書き下ろしてみましょう。

  • こがにゃんこ
    • グッズ販売
    • 企画タイアップ
    • 企画タイアップのデザイン提供
    • SNSでの情報発信

こがにゃんこはこんな感じです。
こがにゃんこの場合、初期のころにありがたくも社会福祉法人パステルさんとコラボをして開発した「こがにゃんこクッキー」があります。
これは企画タイアップの素材としても多いに大活躍してくれ、こがにゃんこラテやこがにゃんこパフェに展開されました。

そして企画タイアップのデザイン提供の部分。
市内のイベントごと、例えばVAL古河駅ビルさんから声をかけていただきました「古河駅130周年記念ノベルティ」などイベントごとにグラフィックデザインとして参加することが可能です。
もともと複数のグッズや企画にのれるようにデザインをしたキャラクターなので、企画タイアップはこがにゃんこの得意分野です。

  • 小太刀御禄
    • デザイン、イラストの制作
    • 講演、講師業
    • メディア出演
    • アドバイザー業

こがにゃんこの作者、小太刀御禄の場合はこのようになります。
企画からジョインしたりと詳細化は可能ですが、今回はざっくりと。
デザインやイラストの仕事を得る場合、売り込みやSNSでの活動などいわゆる営業活動が必要です。
私の場合は直接的な売り込みよりもインターネットを経由してお仕事をいただくことが多かったのと、講演・講師業を見てくださった方からご連絡をいただくこともありました。
つまり、私が相性がいいのは「自分のコンテンツを発信した営業活動」であり、こがにゃんこが目立てば目立つほど仕事につながるように設計をしていきました。

現に、こがにゃんこを見てくださった方からアドバイザー業のお話をいただいたり、講演のお話しをいただいたりと嬉しいスパイラルがおきています。
そして、自分自身の売り上げの一部もこがにゃんこの活動費にあてることにしたのです。
これは私だけの力ではなく、こがにゃんこが稼いだ予算と言っても過言ではないからです。

こがにゃんこは成長のための投資のフェーズ

こがにゃんこは現在、自分自身で収益をたてるフェーズではありません。
グッズの売り上げは次の施策……わりやすいところでいうと歌の制作やきぐるみの制作予算にあてています。
よく「儲かっていますか?」と聞かれるのですが(みんな気になるんですね…笑)ざっくり言うと赤字です。今は成長フェーズですから、収益はコンテンツ制作という投資にまわしています。

しかしながら、収益はたつようにしているので少しずつですが回り始める兆しはあります。
収益構造を持たないとプロジェクトが疲弊してしまいますし新しいコンテンツを作ることも難しくなってしまいます。
なので私は個人規模のご当地キャラクターでも収益についてはちゃんと考えることをお勧めしているのです。

余談

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こがにゃんこクッキーがVAL古河駅ビルでの販売がスタートしました!!
自分がプライベートでよく行くところに納品されているのは本当に嬉しいですね。

以前東京新聞地方版にも書かれたので書いちゃいますが、こがにゃんこクッキーは福祉施設の皆さんの工賃アップを目標にしています。
そして、ライセンシー料は社会福祉法人パステルさんに寄付という形にしました。
その代わり、バンバン売り込んでいきましょうという約束です。
こがにゃんこクッキーが売れたら、木製チップを作ってくださっている愛知の福祉施設のお仕事も増えます。
まさに1つのプロダクトから広がる経済なのです!

こがにゃんこはキャラクターの名前も歴史上の偉人からとっていますが、クッキーのラベルは古河城や博物館、そして土井利位が書いた雪華図説からモチーフをとることで「歴史普及」の側面も担っています。
なぜ私がデザイナーとしてライセンシー料の寄付を行ったかは別の機会にでも。

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