デザイナー小太刀御禄の頭の中

地域活性化にただのキャラクターは適任ではない

※note「猫の手も借りてる地域デザインのメモ帳」から記事を移動しました。

急に暑くなって体がびっくりしております。体が夏になるには時間がかかりそうです。みろくです。
twitterで『みろくに聞きたいこと、教えてほしいことありますか?』とよびかけたところ、いくつかリプをいただけたのでアンサー記事をデザイナー目線で書いていこうと思います。

さっくり言うと「地方活性化の際にキャラクターデザイン〈キャラクターの使用〉の必要はあるのか」という質問をうけました。

現在、ご当地キャラブームは沈静化したとはいえご当地キャラクターは企業や個人なども含めると5000体と言われています。
ご当地萌えキャラも含めればもっと多いと思います。
ご当地キャラがここまで増えた理由を考えていこうと思います。

日本のキャラクターの歴史をざっくり紐解こうか

まずはご当地キャラの歴史を考えていこうと思います。

1980年代の地方博覧会ブームで作られたマスコットがゆるキャラ(ご当地キャラ)の原点と言われています。有名どころだと初代ぐんまちゃんが1981年に登場しています。

きぐるみはないけどもご当地に根付いている、ご当地をテーマにしたキャラクターもご当地キャラに含めた場合、茨城県古河市の広報誌で39年間連載されていたガコちゃんは約40年前には誕生していたようです。(現在は今風のデザインになって復活しています)
ガコちゃんについては私が古河在住の時には見ていたので、休止期間中を考えるともう少し前かもしれません。
もしかしたらこういう地元に根付いているけども他の地域には知られていないご当地キャラは他にもいる可能性があります。

ご当地キャラから離れて、キャラクターの歴史を紐解いてみましょう。
日本を代表するキャラクターブランドのサンリオ。サンリオの前身は1960年に会社化した山梨シルクセンター。
1962年にいちごのデザインを入れた雑貨を販売したところ大人気に。その後キャラクター商品の開発を始めます。これが大体今から60年くらい前の話になります。
全国的に知られている警視庁のマスコットキャラクター『ピーポくん』は約30年前の1987年登場です。

日本のキャラクター活用でいうと福助人形。これは江戸時代に流行した人形で、浮世絵になったり明治時代創業の福助興業のロゴデザインに取り入れらたりと様々なところで活用しています。
近年だと人気ローカル番組『水曜どうでしょう』のオープニングに使われたりと今でもよく見かけるキャラクターの1つです。
もっと広義でいうと、日本は神仏を仏像や浮世絵などに具現化をおこなったり、信仰に活用してきました。
青森のなまはげや鬼、妖怪なども特にはポップに絵が描かれることがあった題材です。
日本人にとって、キャラクター文化は少しずつ変化をしながら身近にあったものなのではないでしょうか。

ご当地キャラが増えた理由を考察してみよう

みうらじゅんが『ユルキャラ民俗学』を連載したのが2002年。2008年には新語・流行語大賞に『ゆるキャラ』ノミネートされています。
ひこにゃんのデビューが2004年、せんとくんが2008年、くまもんが2010年。
個人キャラで人気になったふなっしーは2011年の誕生です。
ゆるキャラをご当地キャラのほぼ同義語とした時に、ゆるキャラが一番盛り上がっていたと言われるのが2011〜2013年くらいでしょうか(体感値)。ちなみにふなっしーがCMきっかけで火がついたのは2013年です。

ご当地キャラの数の推移の例としてゆるキャラグランプリのエントリー数を見てみたいと思います。

  • 2011:349キャラ
  • 2012:685キャラ
  • 2013:1580キャラ
  • 2014:1699キャラ
  • 2015:1727キャラ

全てのゆるキャラたちが出場しているわけではないですが、イベントの盛り上がり方とキャラの増え方の推移が垣間見えますね。
2011年の1位がくまモン(熊本)、2013年の1位がさのまるくん(栃木)と自治体所属のキャラクターが1位に輝き、色々なメディアで経済効果が叫ばれました。
ゆるキャラグランプリではないですが、その前からもひこにゃん(彦根)やおかざえもん(愛知)、にしこくん(東京)など様々なキャラクターで経済効果が囁かれたと思います。

ご当地キャラが盛り上がった結果、『ご当地キャラには経済効果がある』と考え、たくさんの自治体所属のキャラクターが誕生しました。

多くの自治体は他の地域での成功例を参考に施策を決めているような動きをしていますので、補助金など色々な要因が重なってご当地キャラがたくさん増えたのだと思います。
結果、地域活性化を目的としたご当地キャラがたくさん誕生しました。

地域活性化にご当地キャラは必要なのか

地域活性化ってざっくりとした言葉だと思っています。
wikipediaでは

『地域おこし』や『地域地域活性化』とは、地域(地方)が経済力や人々の意欲を(再び)向上させたり、人口を維持したり(再び)増やしたりするために行う諸活動のことである。

とあります。

移住者を増やす、観光客を増やす、税収を増やす、街の人たちの文化活動が活性化する。全て『地域活性化』です。

ではキャラクターは移住者を増やせるのか。
観光客を増やせるのか。
税収を増やせるのか。

答えはYesであり、Noとも言えます。なぜならデザインは戦略がなければ達成ができないからです。
キャラクターもデザイン物の1つです。デザインには戦略が必要で、戦略にあわせてデザインを行うことが求められるのです。
先にも書いたように、くまモンやさのまるくんは大きな経済効果をよんでいます。
とくにくまモンは九州新幹線開業にあわせて綿密に設計をされているキャラクターです。
今回の熊本地震でもくまモンは記者会見を行ったりと、メディア露出を重ねることで熊本の現状を様々な層に伝えています。
ネットには『くまモンがんばれ絵』があふれ、くまもんをとおして多くの人が熊本と繋がっています。

これはキャラクターなくしてはできないことではないでしょうか。

ここまでご当地キャラクターが一般的になると『ご当地キャラクターは税金の無駄だ』と言われることも増えました。
これは『戦略のないキャラクターは目標達成ができる確率が少ないので税金の無駄だ』の間違いだと感じています。

多くの人は見た目のグラフィックと最低限の設定だけ作ればキャラクターが誕生すると思っていると感じます。現に絵だけ描いてくれればいいという依頼もありました。
キャラクターは絵では成立しません。見た目の他に設定、世界観を作り込み戦略を埋め込んでいくことが大事だと考えています。
地域の問題点を洗い出し、地域に寄り添い、目的を達成するためにキャラクターを設計することが大事です。

キャラクターの活用は無限大だってデザイナーは言いたいんだ

地域活性化にご当地キャラクターが多いのは、その活用方法が多彩だということもあるのではないでしょうか。

着ぐる…リアルに現れるキャラクターは子供達に大人気。イベントでは場を盛り上げてくれます。
グッズ展開することでお土産物への利用、観光パンフレットに活用することでポップな印象を与え子供連れや若い人に親しみやすい観光パンフレットも作ることができます。
街の問題点と、ターゲット層がご当地キャラとマッチするならば行うとよい施策の1つだと考えています。デザイナー目線の答えでした。

ちなみにdesignは『設計』という意味があります。グラフィック以外もデザインであるというのが私の思想です。
今度ご当地キャラのデザインについてデザイナー視点で説明しようと思います。

SNSでフォローする