デザインで障がい者福祉業界がハッピーになるなら「デザイン寄付」をしようと思った

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こがにゃんこは社会福祉法人パステルの施設である「たんぽぽ」で製造販売している「こがにゃんこクッキー」という商品があります。
福祉ライターの方が企画を立ち上げてくださり、紆余曲折ありながら2015年3月に販売スタート。
初売りイベントでは同時発売だった「こがにゃんこパン」とあわせて合計約1000個を完売。こがにゃんこ作者の私もびっくり展開でスタートした商品。
今では駅ビルはお土産処の坂長、道の駅まくらがの里などで販売している、古河のお土産ものです。

この企画が立ち上がった時、こがにゃんこのキャラクターとデザインをボランティアで提供してくれないかという話でした。
近年、行政や一般企業でデザイナーを格安で、またはタダ同然で使おうとして炎上をするということがありましたが、企画者の熱い熱意と福祉が抱える問題に心を動かされ、デザインの無償提供を「寄付」という形で参加を決めるました。

福祉が抱えていた問題

お恥ずかしながら、私は福祉業界、特に障がい者福祉施設が抱えている問題に疎かった。
ごくたまに、障がい者施設で製造されている製品を見るくらいのものでした。

バブル期の障がい者施設はいわゆる製造を担当することでお仕事をいただいていたそうです。
それがバブル崩壊後、製造のみの仕事が少なくなり、障がい者施設は岐路に立たされます。
生産力を高めて製造の仕事に注力する事業所、自身で製造した製品に付加価値をつけて商品として販売を試みたところ…聞き伝えと多少の調べ物でしかない知識なので恐縮ですが。

こがにゃんこは後者の「製品に付加価値をつけて販売する」という試みのため声をかけていただきました。

製品に付加価値をつけるためにはたくさんの要素が必要になります。

  • 製品そのもののクオリティ
  • パッケージデザイン
  • 売り場作り
  • ブランディング

製品そのものを開発しようとすると、パティシエの先生が必要になります。
パッケージデザインにはデザイナーの力が。
売り場作りやブランディングにもデザイナーの力が必要です。(これはプロデデューサーやディレクターなどの場合もあります)

他にもプレスリリースを出す時はライターの力が、広報の人員も必要かもしれません…

それぞれに正規料金をつければかなりの初期投資となります。
だからこその補助金や助成金なのかもしれませんが、なかなかそうはいかないのが世の常というものでございます。

デザイン費用を用意することのできないところは多々あるのが現状だと思いま

それでも最高のものを作りたい

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私の仕事の信条は「餅は餅屋」。
今回はキャラクターのビジュアルを生かした型抜きクッキーと決まっていましたので、製品そのもののクオリティであるクッキーはパティシエの先生にお任せとなりました。(企画者の方が依頼)
パティシエの先生は20種類ものクッキーの味を用意してくれ、型抜きクッキーとしての形と味が最高のバランスのものを作ってくださいました。

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私が担当するのはパッケージデザインとキャラクターの提供です。
こがにゃんこのミッションは「古河のファンをつくる」、もっというとキャラクターを通じて歴史をもっと楽しんで欲しいのです。
パッケージにはキャラクターのほかに、古河の名所としゃむ位の魂の中の人である土井利位が調べた雪の結晶・雪華図説の図案をちりばめました。
美味しいクッキーとして、地元の人が楽しんでくれるほか、お土産ものとしての需要と「製品の先にある歴史」に気づいてもらうためです。

企画者だった方がライターだったため、プレスリリース施策も打つことができました。
後日談ですがパンを含めて約1000個(クッキーは800弱だったかな..?)完売となったこがにゃんこクッキー、営業担当さんは実績をもって各お店に営業にまわることとなります。もちろん、クッキー以外にライターさんお手製のフリーペーパーを持って。
製品1つ世に出すにはいろいろな人の様々なスキルをもって邁進していくものだな、と痛感しました。

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デザイナーだからできる寄付活動

今回のデザイン提供は「寄付」という形をお願いしました。
平たくいうとカッコつけたかったんです。もう、本当にそれだけ。

一番初めに書いたように、デザインは価格が暴落してタダ同然の依頼をされることもあります。
そんなあなたはお腹が空いてるからといって、飲食店に入って「タダで食わしてくれ」というのでしょうか?
でも、もしかしたわけがあってお財布を落としたのかもしれない。無一文なのかもしれない。
自分の料理1つで生きながらえたら、そこから何か変わるかもしれない。

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私はシェフではないので、料理を提供するのは無理ですがデザインなら提供できます。
このデザインで障がい者福祉に貢献できるならと「寄付」という形をお願いしました。
その代わり、私の願いはクッキーをたくさん売って歴史を普及しながらも施設の方のお給料が上がること。

キャラクターとデザインで製品のクオリティがあがることで需要が生まれる。
古河の歴史が普及される、施設の方にお給料が生まれる、お土産ができることで古河にきてくれた人が自宅でも古河を楽しんでくれる、子供達が歴史物と意識せずにクッキーを楽しんでくれる。
デザインだけの力ではないですが、デザインは世界を少し変えることができるというのをデザイン業界以外につたえたかったのです。

自分ができる社会貢献を

私は運動部であったことが嘘のようにパワーがありません。体力だってある方ではない。
なので自分の筋力と体力を使った社会貢献はできません。むしろ足手まといです。
本当、びっくりするくらいパワーがないんです。腕力も、握力も。。。

そんな私でも自分のスキルで社会貢献できるならと、今回はデザインを寄付する形をとりました。
私自身はデザイナーにタダ同然の仕事を依頼するのは反対です。ですが、心を動かされた時にはデザインを「寄付」という形でかっこつけるのもいいんじゃないかと思った次第です。



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